なぜ看護師の退職理由のダントツ1位が『人間関係』なのか。今回は、『訪問看護ステーションさんらいと』がどうやってできたのか。そして「どういう組織にしていきたいのか」を創業するきっかけを含めて皆さんにお伝えしたいと思います。

◆看護師デビュー2日目の出来事
病棟看護師時代(看護師1年目)のことになりますが、お礼奉公で勤める病院には2年半ほど看護助手としてバイトしていたこともあり、何人か仲の良い先輩看護師もいるような職場でした。ただ、私は出世欲が他の人より少し強く、入社2日目に看護部長室に行き「どうしたら看護部長までなれますか」と聞きに行ったことがあります。今思い返しても、生意気なやつだと思われて当然だと思います。
◆看護部長への質問と部長のアドバイス
しかし、その部長は私が本気で聞いているんだと思ったらしく、正直にこう答えてくれました。
「言葉を選ばずに正直に話すね。まずは、1つ上の役職の人と同じ委員会に入ること。そして、その枠が何かのタイミングで空くことがある。その時にずっと金魚の糞みたいにくっついていると、推薦してもらえる。それをずっと繰り返したら部長になれたよ。私より能力のある人も資格を取った人もいたけど、たまたまそういうルートを通れたから部長までなれた。井手くんが看護部長になりたいなら、まずは主任さんのいる委員会に入るところからだね。」
◆看護師の退職理由と職場の現状
「仕事が評価されるから」、「資格を取って病院に貢献する姿勢を見せているから」ではなく、当時の病院の正直な評価方法を教えてくれた部長さんには、表面上の答えではなく本気で答えてくれたところが嬉しかったと同時に、この世界で頑張る意欲が少なからず早くもなくなったことを鮮明に覚えています。
◆看護師の退職理由と職場の現状
そんな中でも、看護師の仕事自体は好きだと思いながら働いていくと、性格は優しくて献身的な世間一般的なイメージの『優しい看護師さん』ほどなぜ辞めていくのかに気づく時期がありました。
自分の病棟だけかと思ったら、どうやら他の学生時代からの仲間たちに聞いてもどこも大差なくそのような傾向がありました。何か月かすると仕事にも慣れ、自分で精いっぱいだったところから、今度は患者さんに目を向けられるようになるかと思いきや、お局の機嫌や他の先輩の顔色伺いに意識を集中させることが最重要になる看護師の仲間ばかりになりました。
◆お局との対立と職場の二極化
私は、若気の至りで代表してお局に意見しに行ったこともあり、非常に好かれる先輩グループと嫌われるお局グループの二極化を起こしてしまいました。好かれている人との夜勤だと休憩もとれるし、まず心にゆとりをもって働ける。
しかし、嫌われているグループだと申し送りしてくれない、コールは全部自分、余裕もなくなり、ちょこちょこミスもあったりして仮眠は取れない、残業は当たり前。と、好かれている人たちばかりの時と嫌われている人たちばかりのときとでは、自分の仕事のパフォーマンスがこうも変わるのかとずっと感じていました。
(もちろん、当時の自分を振り返ると自分の考えが甘かったことが今になれば少しはわかるようになりましたが・・・)
◆訪問看護ステーション「さんらいと」の創業背景
もっと、一人ひとりがのびのびと働ける環境があれば、利用者さんにとってもスタッフにとっても良いに決まっていると思い、自分の人生、働いている時間が長いのならそこが楽しくなければ自分で作るしかないと思い、『訪問看護ステーションさんらいと』ができるきっかけの一つとなりました。
◆環境の影響とサンライトの取り組み
その経験を踏まえ、人は良くも悪くも環境で変わる。そこで「7つの習慣」「フィッシュ!哲学」「アサーティブトレーニング」などの考え方を株式会社サンライト全体に取り入れています。みんなが意識し続けることで、仕事だけでなくプライベートも、私たちと関わるすべての人が少しでも晴れやかに過ごしてくれたら心から嬉しいと思っています。